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英里を調教
第17章 エクストラ・ストーリー3 由美子の処女喪失
 レジカウンターにダンボールと伝票を並べる由美子を、橘は後ろから見ている。

 ブラウスの背中に、ブラジャーのラインが見える。
 ピンクの鮮やかな色が、白いブラウスから透けて見えている。
 やや太いながらも、肉感的な足。
 やたら細い子よりも健康的に見え、より橘の好みに近い。
 胸も大きくて、それも橘の好みだった。
 ぼってりとした唇が、見ようによってはいやらしい。

 結局、二年もいて、何もなかったな。
 一度くらい、体の関係を持ちたかった。

 善人の橘は、バイトを食事に誘うこともあったし、もちろんその時は全額橘が出した。
 食事の後、出来れば誘ってみたかった。

 でも、そんな勇気がないのが橘という人間。

 派手で軽いノリの由美子。
 彼氏もいるといっていたし、きっと処女ではないだろう。

 一度くらいやってみたかった。

 いや…

 まだチャンスはある。
 今日は由美子と二人きりだ。

 先日、英里を襲ったことで、橘の中で何かが変わりはじめていた。


 営業時間が終了した。

 これで最後っすから~、とか言いながら、由美子はいつも以上に念入りに掃除をしてくれた。
 ちりとりで埃を集めようとしゃがんだ由美子の太ももの奥に、ブラジャーと同じピンクの下着が見えた。

「お疲れ様、そこまででいいよ。ありがとね」
「いやぁ、最後だと思うとちょっと寂しいですね。掃除いつも以上に頑張っちゃいました」
「あはは、ありがとう。お茶でも飲んでいく?」
「あ、イタダキマス」

 お店のドアに「閉店」のプレートを下げ、二人で事務所として使っている部屋へ。
 冷たい麦茶を出すと、由美子はおいしそうに飲み干した。

「ああ、一仕事した後の冷たい飲み物は格別っすね」
「なんだか、仕事の後のビール飲んでるサラリーマンみたいだな」
「ははは。まだ未成年ですから。お酒はほどほどです」
「飲むんだ?」
「少しだけ」
「ちょっと飲む?」
「いいんすか?」

 うん、と橘は頷く。
 今日で最後だから特別だよ、と。

 並んでソファに座り、缶ビールをそれぞれにコップに注ぐ。
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