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回想ディスコ
第3章 「正弘の場合」

「すごいじゃない!なんかかっこいいわぁマサヒロさん。
 私が相手だったら大泣きしてたかも!
 だってぇ、真っ赤なバラの花束なんて、涙もんよぉ、嬉しくって!」

ピンクの口紅女が身をくねらせる。
他の5人もその感想に同感同感って、拍手を送ってた。

私だけが微動だにせずカタマッテいた。
血の気も・・引いてきたみたい・・
今、サーッて、音が聞こえた気がするもの・・


「その後日談って、ないの?」

おしゃれ男が身を乗り出す。

正弘さんは、なんだか物悲しそうな顔でため息をひとつ、
吐き出してから再び話を始めた。

「うん・・じつはさ・・
 その翌日に彼女にバレちゃってさ・・大目玉!
 なんでバレたかっていうと、オレの内腿にキスマーク、つけられててさぁ。
 一緒にホテルの風呂入ってる時に見つかっちゃって!
 ってか、オレぜんぜん気づかなくってさぁ。
 それほど夢中になってたんだよな、シャネちゃんと・・
 で、当然彼女からワンダーランドの出入り禁止命令が出て、
 それから1年、行かれなかったんだ。
 もちろん、30人切りも中止!
 友達はせっせと通って見事、達成してたけど」

そこまで話すとのどが渇いたのか、グラスの中の液体をゴクリ。
透明なところを見ると、ジントニック、かしら・・?
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