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回想ディスコ
第1章 思い出の扉をあけて
細かく頭を下げながらソファの端に座ってから、
すぐ隣の女に声をかけた。

「みなさん・・お友達なんですか?」

「い~え、知らない者同士よ。
 今日ここで初めて出会ったの。
 このVIPルームの前で自由に入れるって書いてあるのを見た連中ってわけ。
 歳も同年代みたいだし、で、おしゃべりでもしましょうって。
 あなたは?歳、だいたいでいいわ、いくつ?」

間近で見る隣りの女の肌は、
自分とあまり年齢が変わらなそうな乾き具合に見える。

「あ、えっと・・60年代生まれです・・」

「名前は?下の名前」

「え?あ、はい、ヒロミです」

「漢字は?」

「は?はい、あの、弓偏にカタカナのム、
 あぁ、よく電報打つ時に電話局のおねえさんは
 弘法大師の弘ですかって聞いてましたね。それに美しい、です」
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