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アンバランスなsweet
第11章 不審な影
――こっちに来たらどうしよう‥!



狭い風徐室の中で。
出来るだけ奥の角に移動する。
里奈ちゃんを自分の体の陰に隠す様にして、
電柱の男の動向を見守る。



――お願い!どっか行って―‥!



(心細いよ。真くん‥助けて。)


電話で片桐さんに迎えをお願いしてから10分ぐらいで、片桐さんは診療所へ到着した。




「紫乃ちゃん!」




――あぁ、良かった。




里奈ちゃんを抱き締めながら強くそう思った。
片桐さんの到着を待つ間の時間が、ものすごく長く長く感じられた。



訳も分からぬ状況のなか‥。
里奈ちゃんを傷付けるつもりだったらどうしようー‥。
最悪な想像をしてしまう自分がいて。
不安で胸が押し潰されそうだったから。


私が一緒だからなのか、さっきより里奈ちゃんは落ち着きを取り戻し、大分顔色も良くなって来たけれど。
まだ、少しその小さな肩は震えている。



――あれ、いない‥。



電柱の辺りにそっと視線を走らせれば、既にその男性の人影は無かった。


片桐さんの車に乗り込む。
里奈ちゃんが心配だったから、私は里奈ちゃんと一緒に後部座席に座った。



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