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アンバランスなsweet
第11章 不審な影
「真っ直ぐ帰らないで、少しだけ流そうか。」



そう言って片桐さんは車を走らせた。


さっきよりだいぶ雪の勢いは弱まったけれど。
気温が下がってきたせいか、湿り気を帯びたぼた雪から、さらさらした細かい雪に変化して。


片桐さんが運転する車の中、三人とも無言のまま時だけが流れる。
カーラジオからは古い洋楽が流れていた。



沈黙が‥痛い。




里奈ちゃんの事が心配なのに、何から聞いたら良いのか解らなくて。
でも――‥。




うつむいていた里奈ちゃんがゆっくり顔を上げて、私と目が合って。



「里奈ちゃん、大分落ち着いてきた?」

「‥はい。」



目が合った里奈ちゃんに声を掛ける。
私達の会話が車内の中で静かに響く。



「さっきの人‥。知り合い‥なの?」

「元‥カレ‥です」

「!!」



私は一瞬言葉を無くして。
一体何があったんだろう。そう思わずにはいられない。
思わず里奈ちゃんの顔をまた見てしまう。
そんな私に里奈ちゃんは一気に話を始めた。



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