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アンバランスなsweet
第12章 絡んだ糸のように
「‥紫乃はそいつの顔見たんだろ?

お前が見たなら、
相手にお前も顔見られてるかもしれないだろ?

先ずは、早くそいつを捕まえて、
話を聞かなけりゃ、だけど。

ストーカーかどうかはともかく、
里奈ちゃんが怯えていたなんてただ事じゃない。


‥お前も夜道を一人で帰るなんて危ない。」




「私にはストーカーする人なんかいないし。
身長も大きいし!大丈夫!」




――私を襲う人なんかいないよ?




久しぶりに真くんと話す会話は何だかとても楽しくて。
無い無いと手を振る私。




「‥ったく、お前はっ‥。」




真くんの舌打ちが聞こえたかと思ったら、
急に手を掴まれて。
躯をグイッと後ろから抱き寄せられた。




「‥こんなに簡単に捕まる。」


「しっ真くん?!」


「バカ。どこが大丈夫なんだよ。

第一、身長関係ねーし。

だいたい無防備過ぎだ。

‥お前は女なんだから。
もっと気を付けろよ。」



そう言ってすぐに躯を離した真くんの表情は‥。
逆光で見えない‥。



真くんの体温を感じて――‥。
ドキドキが止まらない。



でも―‥。

優しいことばを掛けないで。
心配なんかしないで。



――――でないと私‥。




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