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アンバランスなsweet
第12章 絡んだ糸のように
「‥ゴメン


片桐さんも心配していた。

仕事終りが昨日みたいな遅い時間になる時に、
女の子が一人歩いて帰るなんて危ないって。 」




真くんの口から片桐さんの名前が出て。
私は、口にしてはイケナイその想いをそっと飲み込む。



―――ゴメン




そんな風に謝らないで欲しい。
無かった事に‥しないで欲しいよ。




「里奈ちゃん、多分もう30分ぐらいで来るから。」




そろそろ勉強会が終わる時間で。

トイレと言って出てきた手前、
私も事務室に戻らなければいけない。


真くんにそう告げると、仕事に戻った。




*****




それから数日レセプトは続き、
そのうちの何回かは真くんが里奈ちゃんを迎えに来ていた。



たまに話す機会があれば、
先日の気まずさが嘘みたいに、
気軽に声を掛けてくれる真くん。

(無視するのはおかしいから、当たり前と言えばそれまでだけれど)

短い時間だけれど話をすることが出来た。



他愛ない話。
近所で赤ちゃんが生まれたとか、コンビニの新しいスイーツの話。
スキー体が覚えているうちにまた行けよ、みたいな事も言われ、お前飩くさいから‥。なんて一言多かったり。


(スキー‥、真くんとまた行きたいな‥。)


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