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アンバランスなsweet
第13章 重なる唇

その二人の姿を見て、
重くなった心と躯を引きずって、
私はその場から逃げたした。
二人は誰とも付き合っていないし。
落ち込んでる時に、優しくされたら
気持ちが傾くのは仕方無い。
頭ではそう思うのに。
私の気持ちはその事実を認めない。
最近、元気無かった里奈ちゃんが、
良く笑う様になって。
そのことは凄く良かったなって自然に思えた私の心と、反対側にいる心が、
―――真くんと付き合い始めたからだよ。
そう囁いて。
里奈ちゃんも‥、真くんも‥、
みんなの噂を否定していなかった。
そのことを確かめるのが怖くて、
自分の中では噂のままにして。
曖昧なまま、気持ちが楽な方に流されて。
真くんの後ろ姿。
里奈ちゃんのオレンジのコート。
そして肩に添えられた、里奈ちゃんの小さな手。
キスしていた二人。
――――やっぱりそうなんだ。
その事実に胸が苦しくなって。
ぐらぐら揺れる自分の心を抑えるように、
握った手にぎゅっと力が籠って。
関係の決定的な瞬間を目の当たりにして。
その事実から逃げられなくて。
私はその場にしゃがみ込んだ。
重くなった心と躯を引きずって、
私はその場から逃げたした。
二人は誰とも付き合っていないし。
落ち込んでる時に、優しくされたら
気持ちが傾くのは仕方無い。
頭ではそう思うのに。
私の気持ちはその事実を認めない。
最近、元気無かった里奈ちゃんが、
良く笑う様になって。
そのことは凄く良かったなって自然に思えた私の心と、反対側にいる心が、
―――真くんと付き合い始めたからだよ。
そう囁いて。
里奈ちゃんも‥、真くんも‥、
みんなの噂を否定していなかった。
そのことを確かめるのが怖くて、
自分の中では噂のままにして。
曖昧なまま、気持ちが楽な方に流されて。
真くんの後ろ姿。
里奈ちゃんのオレンジのコート。
そして肩に添えられた、里奈ちゃんの小さな手。
キスしていた二人。
――――やっぱりそうなんだ。
その事実に胸が苦しくなって。
ぐらぐら揺れる自分の心を抑えるように、
握った手にぎゅっと力が籠って。
関係の決定的な瞬間を目の当たりにして。
その事実から逃げられなくて。
私はその場にしゃがみ込んだ。

