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アンバランスなsweet
第15章 やり直す為に
マフラーを外した卓さんは綺麗な顔立ちの男性で。
そのせいで‥‥顔の傷の痛々しさが余計に際立って見え、気にしちゃ悪いなって思うのに、どうしても視線がそこに言ってしまう。



「あの‥‥」
「実は、」



私達は同時に話始めて、そしてお互いに黙り混んでしまう。
少し緊張した張り詰めた時間がそこには有って。
私達の間だの空気を重くしていた。



「‥‥紫乃さんから――」
「‥‥卓さんから――」



二回も話すタイミングが被ってしまう。
でも、少しだけ解れるその空気が、
沈黙の時間を柔らかなものに変化させる。



なんだか互いに見つめあい、可笑しくなって。
ふふふと笑う。

笑うとさっきの強面が嘘みたいに。
卓さんの細い切れ長の眼が線になって。
眼を開けてるのか、つむっているのか分からない感じになる。
そんな所が親しみやすくて。




――――この人‥悪いひと、じゃ無いみたい。



そんな風に思った。



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