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アンバランスなsweet
第15章 やり直す為に
私は頷いた。

あの雪の日に里奈ちゃんから聞いた話を思い出す。
恋に絶望して傷ついて。
それを思い出して泣いていた小さな女の子みたいだった里奈ちゃんの姿が目にちらつく。


あの時はまだ知ることがなかった卓さんに対して感じた怒りが蘇り‥‥。自分の両手をぎゅっとテーブルの下で握りしめる。



「俺ね、硝子細工の職人なんだよ。

俺が造る硝子細工を里奈が綺麗だ――。

そう言って微笑んだ里奈に俺が一目ぼれしたのが始まりで。

俺の自惚れで里奈を傷付けて、
あいつが俺の前から、姿を消したのがこの恋の終わり。」



―――そんな!簡単に



あの時の里奈ちゃんを思い出せば、
そんなに簡単じゃない話な事ぐらい私にだって分かる。


顔を上げ卓さんの顔を見れば、
その瞳は哀しみに満ち、
その言葉を口にするのが辛そうな顔が見えて。


私は――その思いを言葉に出来ないままに、
のみ込むしかない。






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