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アンバランスなsweet
第3章 秘密
どうせ、人数合わせの引き立て役だし、私のことなんて、そう言う意味では皆、興味が無いに違いないのだけれど。



一緒にこの場に居るのだから、礼儀として簡単に自己紹介をすればいい。 ‥‥ それだけなのに。



毎回のことながら、私はガチガチに緊張していた。


(この瞬間を乗りきれば楽しくゆっくり飲めるんだから!)

自分に言い聞かせて。



仕事で診療所のカウンターの中に居る時は、淀みなく口から流れ落ちる言葉も、プライベートでは何も出てこなくなる。



私なんて、居ても居なくても差ほど影響なんか無い気がするけれど。



私がフリーズしている様子に、周りの雰囲気が段々白けて来て ー‥。



ーー ぼさっとしないで、さっさと話せばいいじゃん。

ーー 図体はデカイくせによ。



きっと、みんなそう思ってる。


皆の視線が辛くなって。
握りしめた己の手。爪が白くなっている。



「鈴井‥紫乃です。宜しく、お願いします‥。」



それだけ言うのが精一杯で。


‥‥あぁ、終わった‥。


私はぺこりとお辞儀をして。


また皆それぞれお喋りし始めた。







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