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アンバランスなsweet
第15章 やり直す為に
「あの夏の日―――。

俺の作品を置いてくれている雑貨屋で、里奈と出会ったそのときに。里奈に運命を感じたんだ。

青い、そのグラスに魅いる里奈にインスピレーションが沸いて来て。

躯と心の感覚が里奈に向かって流れていくのが、
その軌跡が鮮やかに煌めいて見えた。

硝子細工が上手く出来た時の‥
これだ!って気持ちが高揚して。

その、喜びに満ちた一つの点が、
空に向かってたなびいていく様に似た歓びが躯を駆け抜けて――――

――俺のミューズ。そう思った」



―――――俺のミューズ。



自分の女神だと。――そう思うぐらい、里奈ちゃんは、卓さんの持つ芸術家魂を揺さぶったんだ‥‥。
心が優しい里奈ちゃん‥‥


きっと、本当に綺麗だったんだろうな。



「でも‥‥強い気持ちは。
眩しい光は同時に濃い影を生み出す。

出逢って一週間で俺達は同棲を始めた。
激しく甘いその日々は、制作意欲とともに‥‥俺の中の傲慢さを引き出した。」

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