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アンバランスなsweet
第15章 やり直す為に

「‥‥そして俺は、里奈に手を上げた。
その頃里奈は俺を励まそうと一生懸命で。
その一生懸命さに―――腹が立った。
アイツを沢山傷付けて。
感情にまかせて手を上げて。
その綺麗な魂に嫉妬して。
俺のミューズだった筈なのに。
形に出来ないならいっそのこと――――
そして。
――首を締めそうになって。
我に返り、里奈を思いきり突き飛ばして‥‥」
卓さんの乾いた笑いが、目に痛い。
卓さんも里奈ちゃんも
たくさん傷付いた、それだけは確かなことだった。
その失われた恋は二人の心に逃れられない痣を残して。癒えるまでには時間が必要な気がした。
「‥‥もう、いいから」
その虚ろな姿に胸をつかれて。
私の口をついて出たその言葉を――卓さんはやんわり首を振り拒絶する。
「―――最後まで聞いて欲しんだ」
そういって、
テーブルの上の私の手を掴む卓さん。
その、重ねられた手の冷たさに――
小さく感じられる姿に――
卓さんの後悔が躯に流れ込んでくる気がして――
私はそれをはねつけることが出来なかった。
その頃里奈は俺を励まそうと一生懸命で。
その一生懸命さに―――腹が立った。
アイツを沢山傷付けて。
感情にまかせて手を上げて。
その綺麗な魂に嫉妬して。
俺のミューズだった筈なのに。
形に出来ないならいっそのこと――――
そして。
――首を締めそうになって。
我に返り、里奈を思いきり突き飛ばして‥‥」
卓さんの乾いた笑いが、目に痛い。
卓さんも里奈ちゃんも
たくさん傷付いた、それだけは確かなことだった。
その失われた恋は二人の心に逃れられない痣を残して。癒えるまでには時間が必要な気がした。
「‥‥もう、いいから」
その虚ろな姿に胸をつかれて。
私の口をついて出たその言葉を――卓さんはやんわり首を振り拒絶する。
「―――最後まで聞いて欲しんだ」
そういって、
テーブルの上の私の手を掴む卓さん。
その、重ねられた手の冷たさに――
小さく感じられる姿に――
卓さんの後悔が躯に流れ込んでくる気がして――
私はそれをはねつけることが出来なかった。

