この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
アンバランスなsweet
第16章 熱情

車窓の景色だけが行き過ぎていく。
真くんは何も話さない。
私も話掛ける切っ掛けを失って。
二人‥‥黙ったまま。
なんだか気まずい空気が車の中に漂って―――。
無言の空間のなか‥‥私の心はさっきの卓さんとの喫茶店に戻っていく。
真くんと新しい恋を始めている里奈ちゃん。
もしかしたら卓さんとは会いたくないかも知れなくて。
心の傷は簡単に癒せるものじゃないだろう。
でも。
――――硝子のペーパーウェイト。
あれは卓さんの心の結晶。
卓さんの里奈ちゃんへの想いを形にしたものだ。
里奈ちゃんにみて欲しい。
その心に触れて欲しい。
私の心にさえ響いたその透明な輝き。
卓さんの一番のファンだった里奈ちゃんなら、
なおさら。
あのペーパーウェイトに込められた意味が分かる筈だから。
壊れてしまった物は元には戻らないかも知れないけれど――。
哀しい想い出が優しい想い出に塗り替えられる切っ掛けになるかもしれない。
怯えずに立ち向かえるかもしれない。
真くんは何も話さない。
私も話掛ける切っ掛けを失って。
二人‥‥黙ったまま。
なんだか気まずい空気が車の中に漂って―――。
無言の空間のなか‥‥私の心はさっきの卓さんとの喫茶店に戻っていく。
真くんと新しい恋を始めている里奈ちゃん。
もしかしたら卓さんとは会いたくないかも知れなくて。
心の傷は簡単に癒せるものじゃないだろう。
でも。
――――硝子のペーパーウェイト。
あれは卓さんの心の結晶。
卓さんの里奈ちゃんへの想いを形にしたものだ。
里奈ちゃんにみて欲しい。
その心に触れて欲しい。
私の心にさえ響いたその透明な輝き。
卓さんの一番のファンだった里奈ちゃんなら、
なおさら。
あのペーパーウェイトに込められた意味が分かる筈だから。
壊れてしまった物は元には戻らないかも知れないけれど――。
哀しい想い出が優しい想い出に塗り替えられる切っ掛けになるかもしれない。
怯えずに立ち向かえるかもしれない。

