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アンバランスなsweet
第16章 熱情
もともと屈がんだ体勢で真くんを見ていた、
不安定なその躯の向き。

真くんにしなだれ掛かる様なその体勢。
実際シートベルトが無ければそうなっていたに違いなくて。



私は傾いた躯を戻そうとして。
その位置から
離れる様に躯を起こそうして――。



真くんの左手が私の左肩を掴んで。
その躯にグッと引き寄せられて。



私の肩を抱く手に力が籠っている。



走っていた車を真くんは地元のスキー場の駐車場に停めた。

小さいスキー場‥‥。
平日の昼は客足もまばらで車の数も少なくて。
真くんのイライラした運転。
それは真くんが怒っている証拠だった。



「‥‥真‥くん‥‥?」



真くんは何も言わずに。
私の肩をぎゅっと抱き締め、そのまま暫くじっとしていた。

密着した右側の頬が熱くて。
フワッと香る真くんのつけているコロン。

真くんの体温で温められて。
鼻孔に広がるその真くんの匂いに包み込まれて。



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