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アンバランスなsweet
第16章 熱情

―――な‥‥んで?
今‥私は真くんに抱き締められていて。
その温もりに。
肩に触れる力強さに。
その匂いに。
私の五感はフル活動して。
心臓がバクバクしているのが、
真くんに聞こえてしまうんじゃないか‥‥
そう感じてしまうぐらい、
胸がドキドキしている。
でも―――
真くんは里奈ちゃんていう彼女がいて。
私にも片桐さんという彼氏がいて。
そもそも‥‥真くんは酷く怒っていた筈で―――
「なんでだよ‥っ‥」
吐き捨てる様に呟くその声には、
やるせなさや‥‥
苛立ち‥
諦め‥‥
そんな、
苦しそうな響きが混じっていた。
―――何にそんなに怒っているの?
私の知らないなにかが、
真くんと卓さんとの間にあるのだろうか。
卓さんのことは―――話せない。
でも。
私は里奈ちゃんじゃない。
真くんのその心の中を占めている
愛しい恋人――では無いんだもの。
卓さんと二人で会ったからって、
真くんがこんなに怒る必要、ないのに―――。
今‥私は真くんに抱き締められていて。
その温もりに。
肩に触れる力強さに。
その匂いに。
私の五感はフル活動して。
心臓がバクバクしているのが、
真くんに聞こえてしまうんじゃないか‥‥
そう感じてしまうぐらい、
胸がドキドキしている。
でも―――
真くんは里奈ちゃんていう彼女がいて。
私にも片桐さんという彼氏がいて。
そもそも‥‥真くんは酷く怒っていた筈で―――
「なんでだよ‥っ‥」
吐き捨てる様に呟くその声には、
やるせなさや‥‥
苛立ち‥
諦め‥‥
そんな、
苦しそうな響きが混じっていた。
―――何にそんなに怒っているの?
私の知らないなにかが、
真くんと卓さんとの間にあるのだろうか。
卓さんのことは―――話せない。
でも。
私は里奈ちゃんじゃない。
真くんのその心の中を占めている
愛しい恋人――では無いんだもの。
卓さんと二人で会ったからって、
真くんがこんなに怒る必要、ないのに―――。

