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第17章 甘い疼き

はじめはパジャマ越しにそっとなぞるだけだった。


私の小さな膨らみ…。
真くんに抱き締められた腕。
まだ閉じられたままの秘密の場所―…。


布越しにゆっくり辿って…真くんの吐息を思い出す。

私の名前を切なげに呼ぶその声は…何度も頭の中で繰り返す。



「 …っ……ハァッ し、ん…く…んっ！」



――自慰。



自分でなんて…それまでしたことなんて無かった。

周りのみんなが大人になって行くなか…遅咲きな私は躯の疼きなんて経験したこと、なくて。


熊さんに憧れて――その腕に抱かれる妄想をした時だって、こんな狂おしい気持ちになんかならなかった。