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アンバランスなsweet
第20章 さ迷い…triangle
―――コツン

誰かの足にぶつかって。
その、転がったボーリングの玉は回転を止める。


「すみませッ……」


下ばかり見ていた私が顔を上げたそこに―…。
真くんがいた。


「鈍くさいんだよ。バカ紫乃。

……遅いから、片桐さんが心配してる」


真くんの酷く不機嫌そうなその声――に…少しだけ躯が震えた。


―――あっ……!


それはあっという間の出来事だった。

下を向いたせいで私の首もとからショールが外れて、
真くんのその足元にハラリと落ちた。


「ったくッ……お前は」


真くんがしゃかみ込み、その目線が私の目線までさがる。
私のセーターの襟ぐり……その絆創膏の辺りで止まった。


「……むっ虫に刺されてっ!」


恥ずかしくなり、思わずそこを手で押さえ俯いてしまう。
別に真くんに何か言われた訳じゃない。


――何も言わない真くんの視線………。




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