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アンバランスなsweet
第20章 さ迷い…triangle

真綿にくるまれるみたいに。
片桐さんの意見に染まっていく自分。
今投げた球だって、そう。
――勝ちたい。
私の中のその気持ち。
理由は解らないけれど、片桐さんにも勝ちたい気持ちがあって。
私達二人。同じチームの仲間同志でそう強く望んだから、片桐さんが一緒に投げてくれた。
それだけかも知れない…けど。
腰に回されたその手が…。“離さないから”そう言われている様で。
―――嫌だ。
一瞬感じたそれが私の本心。
その腕から逃げられなかった。逃げたかった。
理屈でなくて躯がそう反応した。
片桐さんは必要以上に私に過保護で…。
片桐さんが好きなのは、自分色に染まる女の子。
それは…私が塗りつぶされる感じがするのだ。
私が、私でなくなるみたいなそんな錯覚。
それが、その違和感の正体。
勝って負けても。
里奈ちゃんが真くんと付き合っていても、付き合っていなくても。
真くんに対する想いが変わる訳ではなかった。

