この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
アンバランスなsweet
第21章 覚悟

『この間……里花と一緒の紫乃ちゃんを見かけたけど、確かに紫乃ちゃんは亜子ちゃんに似てるなぁって話を里花としたんだ。
そう言えば片桐が、スキーの日の朝に紫乃ちゃんの笑い顔が亜子ちゃんに似てるって言ってたしさ』
熊さんその言葉。
その写真に写る彼女と紫乃との雰囲気が凄く似ていたんだ。
―――紫乃とは眼の印象が違う。
その髪型は彼女には良く似合っていたけれど…紫乃には似合わない。
だからこそ、俺の心をよぎった疑惑。
『紫乃は、俺を避けるようになったんです』
別に片桐さんと付き合ってたって、俺のことを避けなくてもいいじゃないか、そう思った。
そして、そのせいで俺は……紫乃に対する自分の気持ちに気がついて。
俺達、友達にすらなれないのか?
そんな風に思ったこともあったけれど、それは… 間違いだった。
『片桐さんと一緒の時に会えば、紫乃は無自覚みたいだけれど、片桐さんの顔色を伺っているのが俺にはわかるんだ。
せっかく、アイツの花開いた自信が萎れていくってって!……』

