この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
アンバランスなsweet
第21章 覚悟

『亜子ちゃんの葬儀が終わり、ちょうど初七日が過ぎた頃、片桐のもとに亜子ちゃんからの手紙が届いたんだ』
熊さんの口が段々と重くなってきていた。
『多分、片桐は俺にしかこの手紙のことは話してないと思う。
そして、手紙を見せられたのも俺だけだ。
この手紙の話をするのは、俺の口からは、真、お前が初めてだよ』
片桐さんと熊さんと、そして俺。
三人しか知ることの無い亜子さんの手紙のこと。
熊さんの言葉にハッとする。
―――確信の、予感。
それは、多分。
片桐さんの心を知る手掛かりだと思う。
そして、俺が知りたかったことに違いないんだ。
それが…今、熊さんの口から暴かれようとしていた。

