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アンバランスなsweet
第22章 波の音と恋の終わり

―――そのヒトは誰…?
そんな気持ちが頭をよぎらない訳が無い。
でも、私の心は冷静で。
おかしなことに、その時嫉妬に駆られた訳では無かった。
私の図体の大きさとは関係なく、女性な事実は変わらない。
男性である、片桐さんとの力の差は圧倒的で、彼からのその行為から逃げられなくて。
必死に真くんの名を心で叫ぶのが精一杯で。
『嫉妬』
そんな気持ちに駆られたりはしなかった自分に…、それって、片桐さんの彼女が思う思考じゃないんじゃないか、そんなふうに思う気持ちが拭えなかった。
真くんに里奈ちゃんという彼女がいる以上、私がその間に入る隙なんか無いに違いない。
それでも。
この気持ちを。
真くんが好きな自分の気持ちを、押さえる事が次第に難しくなってきていた。

