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アンバランスなsweet
第22章 波の音と恋の終わり

片桐さんから勧められた香水。
私は、もともと強い香りは苦手で、香水には酔ってしまうたちだった。
だから、それを身につけることが出来なくて。

ほとんどの香水が苦手だから、私が身に纏う香りは、せいぜい制汗剤かオーデコロン、練り香水が関の山。
そのほのかな香りは自分が楽しむ程度の強さで、他の人にはあまり分からない程度の香りで。


だから、里奈ちゃんの言葉にちょっとびっくりした。


―――私の香り…届いていたんだ。


ちらっと見た片桐さんの苦笑いに、その勧められた香水を身につけられないでいる、そのことに、何だかゴメンナサイって言いたくなってしまうのだけれど。

その言葉はそっと飲み込む。


私らしい香りなんだもん。謝る必要なんか無いんだ。


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