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アンバランスなsweet
第22章 波の音と恋の終わり

自販機の前。

お財布から千円札を取り出してお金を入れる。
真くんと片桐さんにホットコーヒーを購入して。
里奈ちゃんの好きなココアと、自分にはミルクティーのボタンを押した。

里奈ちゃんが「お金出します」って言ってくれたけど、卓さんのことを、私の都合で里奈ちゃんにずっと話せないでいたことへの罪滅ぼし、ということにして。

本当はココアぐらいじゃ、足りないんだけれど。

取りだし口からミルクティーを取ろうと屈んだ時に、不意に、里奈ちゃんの声が上から降ってきた。



「…ねぇ、紫乃さん。もし、違っていたら謝ります。


……紫乃さんは、真さんの事が好きですよね。
なのに、なんで片桐さんとお付き合いしてるんですか?」


里奈ちゃんのその問いは正論だ。

片桐さんが付き合おうと言ってくれた時、断ることだって出来た筈で。
真くんと里奈ちゃんが付き合ってるってずっと思い込んでいた私には、里奈ちゃんの真っ直ぐなその言葉が胸に痛くて。


「紫乃さんの態度が…多分二人の男性を傷付けてます。紫乃さんはもっともっと自分の気持ちにちゃんと向き合うべきです」


里奈ちゃんの言葉が私の心にのし掛かった。


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