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アンバランスなsweet
第22章 波の音と恋の終わり

ザザァ―…。


波の音が聞こえる。
駐車場の目の前はすぐ海だ。
階段を少し下ればそこから広がる砂浜。

今日は天気が良いから。
波に午後の軟らかな光が反射してキラキラと輝いている。

俺と片桐さんは会話も無いまま、その砂浜に続く階段に腰を降ろして。
二人して暫く海を眺めていた。


「さっき話した事ですけど。俺、もう紫乃のこと、片桐さんに遠慮しないって決めたので」

「…遠慮ってなんだよ。
なぁ、まこと。基本的にお前間違って無いか?紫乃は俺の彼女だ。お前がそんなこと言う資格無いから」


片桐さんのその余裕たっぷりな返事に、俺の気持ちは少し熱くなる。

資格ってなんだよ。
他の女の身代わりにしているあんたには紫乃の彼氏の資格があるのかよ。
片桐さんにそう叫んでやりたい気持ちをグッと押さえた。


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