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アンバランスなsweet
第22章 波の音と恋の終わり

でも、俺の気持ちをくじくような……。
紫乃の肌に見た片桐さんのその所有の印に。

己の立場を嫌というほど感じさせられて。
紫乃に、すぐに触れられない関係の自分に歯痒さを感じる。

同時に、今日…アイツの服から少し覗いた鎖骨の上の辺りに紅く咲いた花が俺の心を惑わせる。


―――組敷いた紫乃がうっとりと俺を……


そんな不埒な想像。

紫乃が、急いで隠すようにしたそれは、この隣にいる男からの明確な宣戦布告。


―――片桐さんと紫乃とはそういう仲で。
名実ともに俺の女だ、手出すなって、そう言う意味、だろ?


「で、俺の彼女にお前は堂々と手、出すってこと?」

「はい」

「ふっ、馬鹿にしてるな、まこと。そんなの許すはずないだろ」

「片桐さんからの許しは関係ないです。俺は堂々と片桐さんから紫乃を拐うつもりですから」

「なんだよ、それ。
どっから湧いて来るんだよ、その凄い自信。
お前、紫乃にずっと気があったもんな。
熊さんから里奈ちゃんをずっと薦められてたくせにさ」



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