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アンバランスなsweet
第22章 波の音と恋の終わり

「紫乃の身長、気にならないんた、お前。
そんなにチビななりして。本気で何とか出来ると思ってる?
お前、紫乃が泣きたい時に肩を貸せるのか?
隣を堂々と恋人だって胸張って歩いてやれるのか?
女性は案外そういうの気にするもんだぜ」
俺のコンプレックス。
チビだと言うその身体的特徴をついてくる片桐さんに、正直ムカついた。
中学生か!
片桐さんの理屈だと、チビな男は好きな女を守れないって理屈になる。
世の中にはそんな男はごまんといて。
案外幸せに暮らしてる訳で。
片桐さんのその言葉。
いつもは冷静な彼の口からのそんな発言。
弱い所をついてくるその態度から、片桐さんのその余裕が口だけなのは明らかだった。
「……そうかも知れませんね。
でも、それは片桐さんには関係ないことだ。
片桐さんに心配して貰わなくても、それは紫乃が決める」
片桐さんの手にしていたタバコから、その燃えさしの灰がボロリと落ちた。

