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アンバランスなsweet
第5章 変化
「では、先生宜しくお願いします。」


そう言って頭を下げた真くんの声には、患者様を心配する心情が込められていた。



患者様が、戻ろうとした真くんに「難儀かけました。ありがとう、ね。」と声をかける。



ベットに横になる患者様の目線まで腰を落とした真くん。


「気にしないで。早く、元気になって下さいね。」


その言葉と共に、
患者様に向けたその笑顔にーーー。



ドキン。


私の心臓が大きく波打ち始めた。


いけすかない男!なのに、なんでこんな気持ちになるのー‥。



きっと、制服姿やその立ち振舞いにクラクラしただけで、気の迷いに違いない。
そう頭で思っても、胸のドキドキは止まらなかった。



「おい!」



私に向けられた不遜な声に降り向けば、受付のカウンターに真くんが移動していて。


私の顔をじっと見ていた。



「ふっ。後で、家族が診療所に迎えに来る筈だから。しっかり頼むな、し、の、ちゃん。」



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