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アンバランスなsweet
第23章 対峙する心

「……名前。
なんで、亜子の名前を知ってるのか、って聞いたあれ…は。
俺が、紫乃のことをそうを呼んだんだろう?」
私は静かにコクンと頷いた。
昨日の片桐さん―――は。
あの時、片桐さんは私の言うことなんか全然聞こえていないみたいだった。
その最中、唇から愛しげに零れ落ちたその名は、亜子さんの名前だったんだ。
あの時、片桐さんの目に映っていた私は亜子さんだったのだろうか。
それとも…片桐さんにとっては、亜子さんと重さねていた――重なりきれないでいた私だったんだろうか。

