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アンバランスなsweet
第25章 繋がる気持ち

信号が赤から青に替わった。
幸い、車通りが少なくて、ルームミラーで、後ろに車がいない事を確認した私は、左にハンドルを切ると、その十字路を突っ切っる。
途中、何個か十字路があったが、その度に真くんの方をそっと窺う。
でも、真くんが何も言わないから、そのまま真っ直ぐ通り抜けた。
診療所を出た時は、ポツリ、ポツリと落ちてきていた春の雨が少し強くなって。
ワイパーを動かす音だけが、静かな車内に響いている。
―――どこへ向かってるの?
このまま進めば、道路は河川公園で行き止まりになってしまう。
どうしたら良いんだろう―――そう思って、真くんに尋ねた。
「河川公園の駐車場に停めろよ。」
「…うん。」
―――もしかして、機嫌、悪いの?
真くんは、真っ直ぐ前を向いたまま、私の方を見ようとはしなかった。
少し難しい顔をして、前を見据えている真くんの様子に、機嫌が悪そうな気がして、少し焦った。

