この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
アンバランスなsweet
第25章 繋がる気持ち

冬の間、排雪場所になっていた駐車場には、集められた雪が雪山になっていた。
降り始めた雨は、更に雨足が強くなる。
その春の雨が、春になってもまだ融けきれずにいる、土で黒く汚れた冬の名残を融かしていく。
「―――雨、降ってきたな。」
「そうだね。」
嵐になりそうな予感――徐々に強まる雨に、お互いそう口にした。
―――紫乃には、海での俺の叫びは聞こえていたのだろうか。
やはりそれが気になってしまう俺は、二人きりになると、なんだか照れ臭くて、紫乃の方を真っ直ぐには見れない。
――――好きだ。
そう、海で叫んだ気持ちに偽りは無い。
あの時は、紫乃の気持ちを振り向かせたくて、そのことで頭がいっぱいで。
俺は―――自分の気持ちを叫ばずにはいられなかった。

