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アンバランスなsweet
第25章 繋がる気持ち

でも―――。
片桐さんと紫乃が一緒に行ってしまったあの瞬間――紫乃が選んだのは、俺では無くて、片桐さんの方だった。
正直、それに凹まなかったと言えば嘘になる。
俺の叫びを振り切って、車が走りだしたあの瞬間。
もし、海でのあの告白が聞こえていたなら、俺は振られたということだ。
聞こえていないのら――俺にもまだチャンスがあるということだろ?
どちらにしろ、紫乃と話をしないと始まらなかった。
だが、いざとなると、俺はどう切り出して良いのか言葉に詰まる。
そんな俺を嘲笑うかのように、更に雨足が強まり、大粒の雨粒がフロントガラスを叩いていた。

