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アンバランスなsweet
第25章 繋がる気持ち

二人、そっと無口なまま―――。
真くんが、診療所に里奈ちゃんを迎えに来ていた時は、楽しい軽口を叩けていたのに。
話さなきゃいけない―――そう思えば思うほど、話すのが難しくなる。
何から話したら良いのか、頭のなかが混乱して。
そんな焦燥感のなか、二人きりな車内の空気は次第に緊張感を増していくようだった。
雨で外の気温が下がったせいで、
車内の内気と外気の温度差のせいで、結露した車の窓が、すりガラスみたいに白く曇って外が見えない。
少しだけ…気詰まりな空間なか、真くんと二人――小さな箱のなかに閉じ込められてしまったような、そんな錯覚に囚われる。

