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第8章 ドキドキのスキー‥

熊さんは私から離れると、
「もう一度スキーをハの字にしてごらん」


そう言って。私の腰をサイドから掴んだ。



「‥ひゃっ！」



びっくりして、変な声が出て‥恐る恐る熊さんを見ると特に気付いてはいないみたいで安心する。

（恥ずかしい‥。）




「エッジを立てたまま腰を落として。
重心は前だ。後ろだとスピードが出て制御が難しくなるからね。

谷側に体重を駆けるのは慣れるまでは怖いだろうが、俺がサポートするから。」




熊さんは真剣に教えてくれてるのに、変な気持ちになっちゃダメだ‥私。


そこからはドキドキする気持ちを出来るだけ抑えて、熊さんの指導に集中した。

早く里奈ちゃんと滑りたいし。

私が早く勘を取り戻せば、里花さんの所に熊さん戻れるんだー‥。



ひたすら足で少し登っては滑り、登っては滑りを繰り返し、始めてから1時間位経った頃、やっとリフトに乗って良い許可が熊さんから下りて、ほっとして。