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第8章 ドキドキのスキー‥

リフトから降りて斜面の上から下を見おろしすとため息が出た。



（たっ高い！）



紫乃だって学生時代授業でスキーは体験しているのだ。（授業以外は全く滑らなかったのであくまでも体験の域を出ることは無いが）


地元の小さなスキー場はリフトのスピードもゆっくりだし、ゲレンデのコースだって二つだけ。


一応、『リフトから降りてゲレンデを滑った』ことが無い訳ではない。


でも‥ただでさえ、苦手なスキー。
熊さんのお陰でいくらか勘を取り戻したとはいえ、初心者には変わりなくて。


大きなスキー場の立派なリフトに怖じけ付きながらも、何とか頑張った紫乃にとって、このコースは試練だった。


目線を近くに‥足下を見ればそんなに斜面の傾斜を感じることは無いのだけれど‥。


ココのコースは初心者用だし、傾斜も、さっき熊さんと練習した程度の緩やかなもので。
小学生低学年の子供達でさえ、楽しく滑り降りているコースだ。


緩やかと言っても山の上目線を遠くに移せば梺の町が遠くに見えて。ゲレンデの梺にはロッジが小さく見える。