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アンバランスなsweet
第9章 本音と建前と自分の気持ちと
何だか思考がぐるぐるしてきた。



「まことーっ!おいっ、しっかりしろ‥。」



ヤバイ‥。のぼせたみたいだ。
片桐さんの声が膜が掛かった様に聞こえて。



「おい。上がるぞ!」



浴槽から引っ張り出される感覚がある。

肩を組まれて、歩かされているのは判るが、頭はぼーっとして。視界が砂嵐になる。



ーーヤバイ‥。



意識を手放した瞬間に俺の頭に浮かんだのは、輝くような紫乃の笑顔と‥、白くスラッとしたアイツの足。


一糸纏わない、後ろ向きの紫乃が俺の方を振り向き笑っている姿だった‥。



******



――冷たっ!



頬に感じるひんやりした感覚。
ピタピタと頬にペットボトルが当てられている。


静かに目を開けた俺はペットボトルの方へ視線を向けた。
熊さんが心配そうに、でも少しニヤリとした顔で俺を見下ろしていた。



「すいません、俺っ!」

「もう少し横になっていろ」



躯を起こそうとした、上から熊さんの声が降って来て。
鼻の違和感。手を当てたらティッシュが右の鼻穴に突っ込まれていた。


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