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アンバランスなsweet
第10章 ひらきはじめた蕾
私の隣に座る片桐さんが少しだけ近くて。



「風呂上がりだから髪の毛‥上げてるんだね。」



片桐さんの言葉に、思わず左手をうなじに当ててしまう。



「紫乃ちゃんは今日たくさん頑張ったよね。
朝から車で吐いちゃった時はどうなるか、心配だったけどさ。」



そう言って片桐さんは買った牛乳を一口飲んだ。



「やっぱり風呂上がりは牛乳でしょう!
紫乃ちゃんもそうみたいだし、何だか俺は嬉しいな。」

「うふふ。私も牛乳仲間がいて嬉しいですよ。」



そうだった。朝から片桐さんには迷惑をかけているのだった。
朝の車の中でも、里奈ちゃんと私をたくさん笑わせてくれたし。



「紫乃ちゃん、今日は良く笑っていたね。
‥それって、まことのお陰‥かな?」



私はさっきの真くんの言葉をまた思い出して、少し泣きそうになった。



「さっき、まこと‥、風呂場でのぼせてさ。ぐったりして‥。」

「えっ!大丈夫なんですか!」



朝、車では真くんにいっぱい迷惑かけたし。



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