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ブラックチョコレート
第2章 決戦までの準備



ネクタイとかも着けないしなぁ・・・


「ごめんなさい、スーツも着ないもので」

「いえ、申し訳ございません。
 差し支えなければ、お仕事は・・・」

「あ、パティシエなんです」

「そうでしたか。
 それでは今時期お忙しいんじゃないですか?」

「そうなんです」


デパートのお姉さんはその後も、
優しくいろんな話を聞いてくれた。


「それでしたら、お洋服とか、電化製品とか、
 んー、あとは旅行なんていかがですか?」

「旅行!?」


それは思いつかなかった!

有給はいっぱい残ってるから、
平日の星弥くんのお休みの日に旅行に行けばいいんだ!


「お姉さんありがとうございます!」


お姉さんの腕をガシッと掴んでお礼を言った。
お姉さんはすごくびっくりした顔をしていたけど、
ニッコリと笑って

「お客様のお役に立てて私も嬉しいです」

と言ってくれた。


こんなに話を聞いてくれて、
素敵なアイディアも出してもらったのに
何も買わないでここを出るのは忍びない・・・



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