この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ブラックチョコレート
第2章 決戦までの準備
「紅里っ!?どうした!?」
「ケーキ・・・うまくいかなかったぁ・・・」
確かに甘さ控えめに作ったよ、
ブラックチョコレートを使って。
でも、それ以上にブラックな、
苦そうなケーキが出来上がってしまった。
「ケーキ、作ってくれてたの?」
「・・・うん」
「ありがと、その気持ちだけで嬉しいよ」
「でも・・・」
これじゃあげられない。
星弥くんは、わたしが作ったものが食べたいって言ってたのに・・・
「チョコ余ってる?」
「うん・・・ちょっとだけ」
「じゃあそれ、持っておいで?」
「うん・・・」
しょんぼりしたままコートを着て、
星弥くんに渡すプレゼントを持った。
余ったブラックチョコレートをバッグに入れて、外に出た。
もう遅い時間だからと言って、
うちの近くの公園まで星弥くんが迎えに来てくれた。