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ブラックチョコレート
第3章 バレンタインデー



星弥くんはわたしと手を繋ぐと

「荷物、持とうか?」

と聞いてくれた。


「じゃあ、これだけお願いしようかな」

着替えが少しだけ入ったバッグを持ってもらった。


わたしの手には、星弥くんにあげる物が。

ケーキはうまくいかなかったけど
これを渡して、喜んでもらうんだ。



星弥くんの部屋に入り、荷物をリビングに置いた。


「お風呂入れるね」

「ありがと」


湯船にお湯を溜め始めて気付く。


「星弥くん!」

「ん?」

「ごはん食べた!?」

「まだ」


そういえば、わたしも食べていない。

仕事から帰ってきて
すぐにガトーショコラを作り始めたから

ママに「夕飯は?」って聞かれても
「あとで!」って言って、そのままだった・・・



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