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ブラックチョコレート
第3章 バレンタインデー
「いつ行ったの!?」
「んー、クリスマスの時よ」
「クリスマス!?その時まだ星弥くんと付き合ってないよ!?」
「・・・星弥」
パパがぼそりと彼の名前を繰り返す。
「ママが買ってきたケーキ、星弥くんのお店のものよ」
「えぇぇっ!?」
「あのお店、ママ友の間で有名なのよ、
イケメンの店員さんが居るって」
そんなことママから聞いたのは、初めてだった。
そこは夏に出来たばかりのお店で、
わたしはまだ行ったことがなかった。
場所はわかるけど、名前が読めなくて
ママにもお店の場所を説明しただけ。
「ママばっかりずるい!
わたしだって星弥くんの働いてるとこ見たい!」
「行けばいいじゃない」
「む、無理っ・・!」
イケメンの店員さんが居るって有名だなんて聞かされて
星弥くんに会いに行くなんて、なんだか恥ずかしい。