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ブラックチョコレート
第3章 バレンタインデー
でも星弥くんが有名なのは、ちょっぴり鼻が高い。
その彼はわたしのことが好きなんだって思うと、
ニヤニヤとする顔をどうにもできなかった。
「紅里・・・気持ち悪いわよ」
ハッとして真顔になるように口を真一文字にする。
でもやっぱり、ニヤニヤしてしまうのだ。
「早く食べてみなさい、それ」
そうだった、まだ味見してなかった。
「いただきます」
ガトーショコラをひとくち食べる。
「んーっ!おいしい!」
やばい、これは我ながら天才かもしれない!
って言っても、レシピは星弥くんに教えてもらったものだけど。
わたしが切り分けた1つを食べている間に、パパがほとんど食べていて
「ちょっと!わたしの分は!?
もうちょっと食べたかったよ!!」
「星弥くんに・・・作ってもらったらいいんじゃないか?」
パパはふてくされ気味にそう言った。