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煮詰めたシチュー
第5章 雑記 恋がつくるモノ
恋心を抱いているのは私だけ。完全な片思いです。
結局、この町に来ても来なくてもこの恋愛の成果は得られないんだとわかったのです。
帰ろう、と思いました。
駅までの帰り道、このあたりの空気を目一杯吸い込んで歩きました。もう来ることはありません。
行動を起こしたことで幾分気が晴れていました。
駅に着いて切符を買おうとしたとき、見覚えのある顔が改札を出てきました。
奥さんのご主人でした。
奇跡のような確率で、私は仕事帰りのご主人と遭遇したのです。
ご主人を目で追いましたが、私には気付いていません。