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煮詰めたシチュー
第6章 雑記 夢の、また夢

例えばピアノのミとファは隣り合わせに並んでいます。
その間に音階は存在しないことになっていますが、実際には無限の音が存在します。ミより少し高いミもあれば、ファより少し低いファもある。ですがそれらはミとファの基準によって跳ね返されます。
ミでもファでもない音は存在するもののピアノでは認めていない。十二音階に不快をもたらすからです。
これは感覚の問題なので、十二音平均律に縛られない民族音楽では調律のずれた音を使った表現もあるようです。十二音を基準にしたことで世界の誰とでも合奏できるようになりましたが、音楽の可能性は著しく失われたかもしれません。

