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煮詰めたシチュー
第1章 雑記 恋とゆで卵
湯気をたてたおでんが来ました。
澄んだつゆの中に好物の玉子を見つけ、箸をやるもののツルンとした白身に箸が滑り、どうにもうまく挟めない。
もたつく私をよそにチアキは箸で玉子を突き刺しました。
『こうすればいいんですよ』
『そう、そんな感じなんだよ』
『玉子ですか?』
『結婚な、そんな感じ。
突き刺して止めるんだよ。
でないと食えないだろ。
食えなきゃ意味無い』
『ゆでたまごですか?』
『夢無いか、はは』
玉子に箸を起てたとき、ふいに妻を思い出してしまいました。
----(アイツは俺といて幸せなんだろうか。)
帰ったら妻に聞いてみたくなりました。