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煮詰めたシチュー
第2章 雑記 ジブンのカタチ
少しだけウンチクを。
よく¨峠を攻める¨とか¨コーナーを攻める¨と言います。あれは的を射た言い回しで、攻撃的な心理状態でないと上手いコーナーリングができないのです。
ブラインドコーナーといって峠道のカーブは先が見えません。
ですので、道路の白線の曲がり具合やガードレールの見え方とか、そういった周囲の情報からカーブの深さを見極めるのですが、怯んだ気持ちでいるとその情報を見落としてしまうんです。
バイクは右手のアクセルを捻ると後ろのタイヤが回って前に進みます。
怖気づいてアクセルを戻すと、後ろのタイヤに掛かっていた力が一気に前のタイヤに移動してしまいます。慣性の法則ですね。
前のタイヤはハンドルと一緒に動きますから、そこにライダーの腕力を超える力が一気にかかると、ハンドル操作ができなくなってスッ転ぶんです。
冷静な判断をするためには¨攻める¨という攻撃的な心理状態でいたほうが、少なくとも¨怯む¨よりはいいんです。