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煮詰めたシチュー
第2章 雑記 ジブンのカタチ
当時私は父親と縁を切り、家賃1万4千円の小さなアパートに住んでいました。衣食住の全てが自分に掛かっていて、それなりに生活へのプレッシャーもあったりして、相当にツッパっていました。
負けたくないというか、人に弱みを見せるのが嫌で変に頑張っていた時期でした。
それがこの絶景を前にして、私の存在は蚊のたてる羽音のようなものでしかないと、そう諭された気がして、ホントに口惜しかったのを覚えています。
しばらく雲海を眺めていましたが、背を向けてベンチでタバコを吸いました。
ずっと見ていると頭がおかしくなりそうで耐えられなかったのです。