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煮詰めたシチュー
第4章 ホラーな男
少しすると風が止み、シートの音も静かになりました。
『ふぅ~きっつい風やったな』
突風をやり過ごし、山ちゃんが屋根に這い上がろうと頭を上げた瞬間、『ドンッ』と頭部に衝撃を受けました。
プシュッという音が聞こえ、次いで左目辺りに激痛が走りました。
『ぎゃっ!』
山ちゃんは絶叫しました。
手で顔を押さえると左手がドロッとヌルつきます。
『な、なんや今の・・』
山ちゃんの左目に衝撃を与えたのは、屋根の上に忘れたシノでした。
大屋根に敷いたビニールシートが突風に煽られた際に、シートの上に置いていたシノが屋根の上を滑り落ちてきていたのです。それも山ちゃんに尖った方を向けて。