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散る華如く
第5章 新たな出逢いたち
「高尾・・・!!オレのお客に何やってるのさ!」

ときわが奥から現れ―高尾の手関節を掴んだ。

「ときわさん・・・!!」

「ときわ・・・いつからそんなに神経質になった?俺はお前のお客を奪ったりしやしねぇよ。」

「嫌がってるじゃないかい、だからでもあるさ。」

「フンッ・・・お前がこのお嬢に本気になるのか?」

「何とでも言えばいいさ・・・」

「―しをな・・・大丈夫だったかい?」

「はい・・・」

最後に―勝ち誇ったかのように微笑んで、ときわは彼女を連れて自室へと向かった。

「あのおかみさんからお許しは出たのかい・・・?」

「母ですか?はい、何かあったらすぐ言うようには言われてますけど。」

微苦笑して、しをなが言う。

「時々面倒にならない?おっかさんが口うるさいだろう?」

「母は・・・わたしと瑠花のことを大切に思ってますし、それだから厳しいのは分かってますから―・・・っっ!!」

『何故・・・あなたはわたし達を覚えていないの・・・?』

くらりと身体の力が抜ける。

「しをな!!」

いつになく慌てた様子で、ふらついた彼女の体を抱きとめる。

「大丈夫?」

「ぁ・・・」

『紗羅、なのね?貴方は・・・』

あの見知らぬ女の姿が見える。

(いや・・・!!どうして幻覚が見える、の・・・)

しをなはぶつ、と意識を手放した。
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