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散る華如く
第5章 新たな出逢いたち
「―をな・・・」
「しをな・・・!!大丈夫かい!?」
「ぁ・・・と、きわさん・・・?」
彼女が起き上がろうとする。
「ダメだよ、まだ起き上がらないで。」
「なんで急に倒れたりしたか・・・思えてる?」
「まぼろしが・・・見えたんです。」
「―まぼろし?」
「はい。見ず知らずの女のひとが・・・頭の中で、わたしに話しかけてきて・・・」
「とても、恐くて・・・」
怯えた表情に加え、瞳は潤んでいた。
ときわが彼女を抱き寄せ、背を繰り返しさする。
「何でもないよ、ただのまぼろしだ。」
「分かっています。」
「ときわ・・・しをなさんは目が覚めたのですか。」
「ああ、いろは。今日はもう、帰らせるさ。」
「え・・・?でも・・・」
「アンタに何かあってからじゃ、おかみさんに示しがつかないだろう?」
「はい・・・」
しをなが帰っていく。
その後ろ姿を見て、ときわが呟く。
「まさか、ねぇ・・・」
(有り得ないじゃないか、そもそも。しをなが“紗羅”なんて・・・)
「そうさ、有り得ない・・・」
「しをな・・・!!大丈夫かい!?」
「ぁ・・・と、きわさん・・・?」
彼女が起き上がろうとする。
「ダメだよ、まだ起き上がらないで。」
「なんで急に倒れたりしたか・・・思えてる?」
「まぼろしが・・・見えたんです。」
「―まぼろし?」
「はい。見ず知らずの女のひとが・・・頭の中で、わたしに話しかけてきて・・・」
「とても、恐くて・・・」
怯えた表情に加え、瞳は潤んでいた。
ときわが彼女を抱き寄せ、背を繰り返しさする。
「何でもないよ、ただのまぼろしだ。」
「分かっています。」
「ときわ・・・しをなさんは目が覚めたのですか。」
「ああ、いろは。今日はもう、帰らせるさ。」
「え・・・?でも・・・」
「アンタに何かあってからじゃ、おかみさんに示しがつかないだろう?」
「はい・・・」
しをなが帰っていく。
その後ろ姿を見て、ときわが呟く。
「まさか、ねぇ・・・」
(有り得ないじゃないか、そもそも。しをなが“紗羅”なんて・・・)
「そうさ、有り得ない・・・」